「付き合って?」




















放課後の教室。


私に微笑みかける彼と、机に座って彼を見上げる私、晴田柚麻。


憧れのシチュエーションかもしれない、この状況。




しかし現実は、そう甘いもんじゃない。










「…なんでですか…」




私は冷めた目で彼を見る。


でも、笑顔はひとつも崩れない。


それどころか、




「好きだからに決まってんじゃん!」




と、明るく言い切る彼、中沢尚先輩。


この言葉、もう何回目だろう。


いい加減、うんざりしてる。




「はあ」


「あっ今ため息ついたでしょ?幸せ逃げるよ〜!」




…本当、なんなんだそのテンション。




私と先輩の温度差は明確なのに、気づいていないのかと思うほど、眩しい笑顔を向けてくる。