「…ったく…なんで俺がこんな格好しねぇといけねぇんだ!!」
「まぁまぁ、高島先生。これでモテモテになるかもですね?」
「…」
主任から強制的に執事の格好をさせられた。

文化祭では3年前から始まった先生達が生徒をもてなすカフェ。
俺は毎年出る気もなく職員室から出て、準備室で仕事をこなしていた。

なのに…なんで今年やらねぇといけねぇんだ。


仕事やら書類やらで大変だってのに。俺が何でこんな格好しねぇといけねぇんだ。
しかもこの半田とか言う先生…ハッキリと言ってうぜぇ。

毎日必ず1、2回は話しかけてくる。
俺はそんな暇ねぇってのに。


「あら、高島先生どこに行くんですか?」
ちっ…わざわざそこまで聞いてくるか…

「…タバコ吸ってきます。」
「じゃあ、私も。」
一々着いて来やがって…ストーカーかよ。
「すいませんが俺1人で吸いたいので」
「そうですか…」


そう言い放ってむさ苦しい職員室から出た。