入学式の前の日。俺は入学式準備に相当疲れて家に帰った。
まさか入居する奴が女だったとは知らなかった。
俺はあの日自室で仕事をする気にもなれず、俺は庭の桜を見に行った。
響也が桜が咲いている。と言っていたが俺は最近忙しくて見ることが出来なかった。

満開になった桜。この桜は俺の両親が生まれた時からあるらしい。
昔はこの桜の木に登ったりもした事がある…
相当疲れていたのか気を抜いていたらしくあの女がいることさえも気づくことが出来なかった。目を合わせることも出来なかった。


今日は朝の会議で少々腹が立つことがあってイライラが収まらなかった。

1組の教室に入ったら空気変わったのもすぐ分かった。…そんなにイライラが収まってねぇのか…?

授業が始まって約40分がたった。
…本当はチャイムギリギリで終わらすつもりだったんだがな…
仕方ねぇ、応用問題をこいつらに解かせて終わらせよう。どうせ3問目はこいつらなんかに解けるか。
そう思い俺は応用問題を解かせた。
生徒全員が応用問題に苦戦している中、あの女だけは違った。
教室をキョロキョロ見たり、外を見たり…
まさか!もう解けたのか…?
まさかそんなはずはない。そう思いながら俺は黒板で解いてもらった。

「あの…これが答えで、す。」
…まさか…正解だとは思わなかった。
「正解だ。よく分かったな。」
こいつも驚いているが俺だって驚きが隠せねぇ…
この女面白いじゃねぇか…


この授業が終わった後、俺は何故かあのイライラが収まっていた。