「着いたー!!」
新幹線に乗って焼く1時間半。思いのほか早く着いたなー…
「さてと。ここからバスで桜田団地まで行くのかー。そんなに時間かからないね。」
スマホの画面を見つめながら歩いていた。

ドンッ!!
「わっ!!」「キャッ!?」
前を見てかなったから人にぶつかってしまった。
「すいません!!前を見て歩いてませんでした!!」
「いや、こっちこそすんません。俺も前見てなかったからよー…」
その人を見ると 私とさほど身長の変わらない笑顔が印象的な男性だった。
「…って、もうこんな時間かよ!?ヤベッ!響也に怒られちまう!!…んじゃ、失礼しますっ!!」
「あ、…ハイ。」
なんか凄い青い顔して走って行ったよ…相当追い詰められてるんだなー…
って、私もこんな所でぼやっとしてたらバスに間に合わないよ!!行かなきゃ!!

それからバスになんとか間に合って20分くらい揺られてバス停に着いた。あとは目的地を探すだけ。 …でもその目的地がこのバス停から案外遠い…
「ここを左に曲がったら…って!!何この坂!!」
こんな登りの坂あるの!? キャリーケースが2つもあって重いのに…
「…高校生になったらこの坂道上がるのかぁー…キツそうだなー…」
そう思いながら重い足を運んでその坂道を上りきった。
「登ったー!!…あれ?」
こんなに大きな家なの!?
私が思っていたのと少し違う…こんだけ大きいんだから2人だけじゃないのかなー?
そう思いながらインターホンに手を出した。
ピンポーン

《はーい。どちらさん?》
「えっと!今日からお世話になる古本なのですが…」
《ドア開けていいよ。》
「はい!!失礼しますっ!!」
あれ?女にしては少し声が低い気がするなー…勘違い?
「古本さん…だよね?って…」
「はいっ!!き…今日からお世話になる古本小雪…です!」
って…
前にいたのは私が想像していた人物と全く違っていた。