この声が届くなら。

ーパチンッ!

「何甘ったれたこと言ってんの?」




陽葵ちゃんは涙ぐみながら言った。






「何すんのよ」


そう言った渚ちゃんの頬は赤く少し腫れていた。

私はふたりを置いてハンカチを濡らしに行く。






ーーー





ハンカチを濡らして
玄関から移動した空き教室に戻れば、
二人は慰め合うように抱きしめあっていた。






ーピタ

「...っ!?」


冷たいハンカチを無言で渚ちゃんと頬に当てた。