この声が届くなら。

「ごめん!大丈夫だった?」



顔の前で手を合わせて謝る知山くん。

そんな知山くんの額には
うっすら汗が浮かんでいて息は少し切れていた。



私は少し震える手で知山くんの両手を包み込む。





「どうした?怖かった?」


ビックリしながらも心配してくれる知山くん。




ーギュッ

いつの間にか私は知山くんの腕の中にいた。



ギュッと抱きしめられた私はなぜか安心していた。


震えもいつの間にかなくなっていて。

それはもう知山くんのおかげで。







その瞬間気づく。



あ...そっか。

私は知山くんが“好き”なんだ、って。