この声が届くなら。

私が話せないことをいいことに
男たちは私の肩を抱く。


どうしたらいいのか分からなくて私の目からは涙が溢れる。







「うわー、泣いちゃって可愛いね」


可愛い、なんて言葉は誰でも嬉しいはずなのに。

今は全く嬉しくない。







ードンッ


「何、勝手に触ってんの。俺のなんだけど」



そう言って知山くんはに
突き飛ばされた男たちは知山くんを睨んでいた。






「何だよ、男いたのかよ」


チッ。と舌打ちをしながら去っていった。