この声が届くなら。

「前川先生、ちょっといいですか?」


ドアを開けて前川先生を呼んだのは
学年主任の速水(はやみ)先生だった。



『お前ら適当に決めとけー』

先生はそう言って出て行ってしまった。





ーーー







「じゃあ、決めようと思います。
何がいいですか?」



まとまらないクラスの文化委員は
ワイワイとうるさいみんなに問いかけていた。

文化委員の立川(たちかわ)さんが
必死に聞いていたのにそれでも
みんなは無視を続ける。








ーガタッ


「静かにしようぜ。
立川さんが嫌な仕事やってくれてんじゃん」








椅子から立ち上がり、
うるさいクラスを静かにさせたのは知山くんだった。