この声が届くなら。

ーーー







集合場所だった公園を出発して数分。





「ここが羽琉んちだよ」


勇気くんが指さした先の家は
とてつもなく大きくて綺麗な家だった。







「まさか...
羽琉くんってお金持ち...?」


「うん、一応“御曹司”だからね」






羽琉くんが御曹司!?!?







「でも、一応って?」



「あぁ、羽琉は嫌がってるんだ。
おじさんの会社を受け継ぐことを。

だから、弟に任せるって言ってたけど...

たぶん社長になると思うよ、羽琉」





羽琉くんが社長...か。