この声が届くなら。

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お昼休みになり、いつも通り陽葵ちゃんが来た。







「大丈夫?陽葵」


「たぶん...ありがと、渚」



今にも泣き出しそうな陽葵ちゃん。
本当に大好きなんだろうな...今村くんのこと。





ーーー







「あ、陽葵ちゃん!」


ご飯は食べ終わり、いろんな話をしていると
相変わらず可愛い笑顔で話しかけてきた羽琉くん。







「どうしたの?羽琉くん」


「あの...!
待ってやってくれないかな。蒼生のこと」


「待つって...?」


「あいつ、今無理してるんだ。
だから、過去のこと話すまで待っててほしいんだ」






羽琉くんの顔は真剣そのもので。





「分かった、ありがとう」


...と陽葵ちゃんは笑顔で応えた。