この声が届くなら。

「嫌なことって...?」




私より先にそう聞いたのは陽葵ちゃんだった。








「それは、俺たちからは言えない」




渋谷くんが真剣な眼差しで私たちの方を見た。






「なら、今村くんは話してくれる...?」


今にも泣き崩れそうな陽葵ちゃん。











「それは...分からない。
でも、いつか話してくれるはずだよ」






そう聞いた陽葵ちゃんは少しだけホッとしたような顔をした。