この声が届くなら。

ーーー







「飲み物買ってくるよ。何がいい?」


「僕、オレンジジュース!」


『私も』




分かった、といい走っていく知山くん。







「来てくれてありがとうね、ゆずちゃん」


ううん。と言うように首を振った。








「好きだよ、ゆずちゃん」





私の耳には
羽琉くんの声だけが聞こえた。




『私も好きだよ!』

そう書いたノートを見せて、微笑む。