この声が届くなら。

ーーー






「あ...やっぱりいた」


数分走ったら着く公園に羽琉くんはいた。







「泣くな、羽琉」


そう言って知山くんは羽琉の頭を優しくなでた。







「ゆうきぃ...」


知山くんの顔を見たすぐ羽琉くんは目に涙をためて
知山くんに抱きついた。



それは、まるで兄弟のようで。


泣き続ける羽琉くんをギュッと抱きしめ、
何も言わずに慰め続ける知山くん。

安心したようにワンワンと泣く羽琉くん。






ーーー





「大丈夫か?落ち着いた?」


知山くんの問いかけに首を縦に振った羽琉くんの目は少しだけ腫れていた。





私はそっと羽琉くんにハンカチを差し出した。


羽琉くんはびっくりしつつも
優しい笑顔で受け取ってくれた。