「おはよー!」

ついに、夏休みが終わって、また学校が

始まった。

空は相変わらずの青なのに。

なんだか、体が重い。

「おはよー!茜!!」

振り返ると、優しい笑顔があった。

「あ、奈緒!久しぶり~!」

「うん、久しぶり~!」

あれから、二人は付き合い初めたらしい。

あの日の午後に京介と奈緒から

連絡があった。

『まじで、ありがとーございました!』

京介が何度もそう言ってた。

『今度、なんか奢るわ。』

そうも言ってた。

でも、それは丁寧に断りを入れた。

それからの、夏休みはなんだか

遊ぶ気もしなくて。

みんなのお誘いも断った。

「茜、夏休みの後半風でも引いてたの?大丈夫なの?」

奈緒がそうやって、

真剣に心配しているから、

なんだか申し訳なくなった。

「うん、ごめんね。ちょっと体が重くってさ‥‥。」

「そっか‥‥。今は、大丈夫なの?きつくなったら言ってね?」

「うん、ありがとう。」

こうやって、心配してくれる奈緒は

真実を知ったら、どうなるのかな。