そうか。
だから、葛原は煌龍を潰す有力な一手を欲しがってるんだ。
あたしは、その有力な情報を手に入れる為にここに居る。
よく考えたら、かなり重要な任務ね。
どうりで葛原が自らここまで足を運んで、あたしに水をさしに来たわけだわ。
まぁ、あたしは鷹牙のこんな作戦を知った所でどうでもいいけど。
あたしは、潤の為にここにいる。
ただそれだけ。
「恭は……煌龍は、どうするの?」
「ん?」
恭は、首を傾げてあたしを見る。
みんなもあたしを見てる。
「このまま、黙って見てるの?
煌龍……なくなっちゃってもいいの?」
「…………」
あたし、矛盾してる。
あたしにとって、この人達は潤を取り戻す為の道具でしかないのに……
あたしは、いつか煌龍を陥れる人間なのに……
なのにあたしは、このままこの人達が葛原にめちゃくちゃにされるのを見たくないと思ってる。
煌龍がなくなってしまうのは、嫌だって思ってるんだ。



