漆黒の闇に、偽りの華を



「ライバル……か。ちょっと違うかな。」


恭?


何かいつもと様子が違う。


何かに嫌悪を抱いているような、そんな感じ。


恭にしては、珍しい表情だった。



「ライバルっていうのはさ、お互いどこか尊敬する所があるもんだろ?それでいて、競い合う…みたいな。
でも、違う。恭はね。そいつらの事、大っ嫌いなのよ。
"恭は"っていうか、あたし達もだけどね。」


百合さんは、あたしの表情に気付いたのか、恭の言葉に補足を入れる。


「嫌い……か。そうですね。そんな所でしょうか。鷹牙のやり方は、大分性に合わなくてね。」


「極悪非道。女、子供、関係なしに酷いことばっかやってる連中だよ。
俺は特に、"女"に手を上げる奴は地獄に落ちるべきだと思うね。」


いつもヘラヘラしてる直でさえも、嫌悪の表情。


「特に鷹牙の総長。葛原 将生だよね。」


春馬も同じ顔をする。


いつの間にか太一も、机に向かうのを止めて怖い顔で一点を見つめていた。