「凄い汗です。どこか体調悪いんじゃ……」
「ち、違う!違う!なんか、頭使ったら暑くなってきて!!今日蒸し蒸しするしね!!気にしないで!!」
「そうですか?大丈夫ならいいんですが…。」
恭は、まだ煮え切らないといった顔であたしを見るが、あたしは気付かないふりをして話を元に戻す。
「それより、"鷹牙"だっけ!?何か聞いたことある気もするような??て感じかな。」
「"鷹牙"は隣の地区を縄張りにしている暴走族です。煌龍が出来る前から、かなり大きな勢力でした。
今でこそうちがいますが、煌龍が出来るまでは、この辺りに鷹牙と並ぶ勢力はほとんどいなかったと言われています。」
「じ、じゃあ今は、唯一のライバル?みたいな感じなんだ?」
あたし、わざとらしくないかな?
ちゃんと、演技出来てるのかな?
恭の口から"鷹牙"という言葉が出ただけで、自分がこんなに動揺するなんて……。
本当自分に嫌気がさす。



