「鍵持ってんのは、俺と恭だけ。まぁ、大概は俺が一番に来て開けとくけど。」
学校をサボる事が多いから、いつも一番乗りってわけね。
「あの人は、あんたと一緒に学校サボったりしないんだ?巣鴎にもちゃんと授業受ける人いるんだね。」
「あの人って?」
「?恭だよ。」
太一はキョトンとした後、急に豪快に笑い出す。
「な、何急に笑ってんの!?」
「いや……ぷぷっ。お前、恭が巣鴎だと思ってんの??」
「なによ!巣鴎じゃないとしたって、そういう系の高校でしょ?」
総長なんて、そんな普通の高校に通ってるわけない。
通うならやっぱり、素行の悪そうな人が沢山いそうな高校でしょ?
これはあたしの先入観だけど……。
それにしても、太一のこのバカにした顔……むかつく……。
「ま、いっか。後で分かんべ。ちなみにあいつは、そうそう授業をふけたりしないからな。まだ当分は来ねーよ。
幹部室で気長に待ってれば?俺は下でバイク弄る。」
そう言って、太一はあたしに幹部室の鍵を渡し、さっさと自分のバイクの所に行ってしまう。



