恭はそう言うと、机に向かって書き物を始め出した。


送らなくていいって言おうと思ったけど、ここに来るまでの道程の暗さを思い出して、言葉を飲み込む。


こんな人でも一応総長なわけだし、いないよりはいてくれた方がいいもんね。


あたしは、幹部室のソファーに座って彼を待った。


何もする事もないので、ストレッチがてら足を伸ばすと、さっき恭に手当てしてもらった所に目が止まる。


絆創膏が歪んでる。


下手くそ。


でも、何故か胸の奥がジンと熱くなった。


「よし!オッケー!茉弘行きましょうか。ってどうしたんですか?」


ソファーの上で膝をかかえているあたしに気が付いて、恭は少し慌てた様子。