「何だよー。焦ったわー。恭が彼女でも連れて来たかと思って、ドン引き寸前だったじゃんかー」



「酷い言い草でしょ?」と言って、彼は私に肩をすくめてみせる。


「そんなことより、百合。この子手当てしてあげて。膝に怪我してるんだ。」


彼女は、「あ?」と言いながら、あたしの膝を見るなり、眉間に皺を寄せた。


「だだの掠り傷じゃんか。まー手当てしてやるけど……これどうした?」


「反乱因子の一人に襲われたんだよ。」


「は?あんた達が追ってたんじゃないの?」


「なかなか逃げ足が速くてね。さぁ取っ捕まえようとした時には、この子が巻き込まれてた。」


彼は本当にすまなそうにあたしを見る。