ご飯なんて建前な事は分かってる。


多分恭は、あたしに話したい事があるんだ。


さっき、聖也さんが言っていた"ケジメ"ってやつなのかもしれない。


聖也さんの言うケジメはきっと、


"あたしを姫にする"


か、


"あたしを姫にせず、あたしとの関わりを断つ"


か、どちらかにするって事だと思う。


周りにあたしの存在を不振に思われている以上、あたしは今までのように気軽に煌龍に出入りする事は出来ない。


あたしは、ただ単純に恭の側に居ることを望んでいるけれど……


そう上手くいくはずがないのよ。


ちゃんと分かってる。




ふと、潤の顔が過る。


恭があたしとの関わりを断つと言うのなら、潤を取り戻す計画は失敗となる。


もう二度と、潤の笑顔は見られないかもしれない。


でも、もう恭やみんなを騙したりしなくていいんだ。


……やだな。


沢山の感情がごっちゃになって気持ちが悪い。



恭の側に居たい。

でも、もう騙したりしたくない。

だけど、どうしても潤を助けたい。



全部あたしのわがままだ。



あたしは、恭の顔を見ることが出来ずに俯いたまま、


「……うん。」


とだけ、答えた。