「茉弘?」



「ふぇ?」



目を開けると、恭のまじまじとした顔が目の前にある。



「うぎゃああああああぁ!!??!」



――――ゴンッ


あたしは、悲鳴をあげながら後退り。


行き止まりの壁で頭を強打する。



「あーあー。大丈夫ですか?
何か夢見てたみたいで寝言言ってたから、つい面白くて覗き込んじゃいました。」


いつもの恭が、ケラケラ笑ってる。


あたし、いつの間にか幹部室のベッドで寝ていたらしい。


「ところで、すき焼きは美味しかった??」


「は?」


「"すき"焼き。寝言で言ってましたよ?」


「…………(イラッ)」


「えっ!?何で怒ったんですか!?えぇっ!?」



こいつ……人の気も知らないで……。


というか、あたしなんつー夢を見てるんだ……。


恭があたしの事をす、す、す、好きだなんて!


自分が恥ずかしいっ!