漆黒の闇に、偽りの華を



よしっ!!!


自由だっ!!!



「百合さんっっ!!!」


あたしは、思い切り百合さんの名前を呼ぶ。


「……ま……ひろ?」



良かった。


まだ意識はある!


百合さんは、まだ意識が朦朧としてる感じだが、あたしに名前を呼ばれて少し自分を取り戻した様子だった。


「こらそこのデブ!!その子離しなさいよ!!!」


「あぁっ!?このアマが!!ふざけんなよっ!!」



あたしは、百合さんを捕らえている男に突進していく。


「お前みたいなチビにタックルされたくらいで、俺がよろめくわけ…………いってぇぇぇ!!!!」


男の手が百合さんから離れる。


「てっめぇ!!噛みつきやがって!!!」


男の腕には、あたしの歯形がクッキリ。


ざまーみろ!!


あたしの取り柄は虫歯一つない丈夫な歯だっつーの!!!