漆黒の闇に、偽りの華を


太一の叫び声。


恭達がこちらに気が付いて駆け寄ってくる。


「茉弘ちゃんまで!?俊太は何してんだ!」


「おいおい。デート所じゃなくなってきたぞ。二人共一体何でここにいんのよ!」


春馬と直が、顔を青くして焦ってる。


恭はというと、何も言わないがやはり動揺は隠せない。



「うちのリーダーを解放してもらおうか。そうしないと、この子達に何かしちゃうかもよ?」


百合さんを捕らえている男が、百合さんの髪に息を吹き掛ける。


「……のやろっ。ぜってぇ殺す。」


それを見て、太一が歯ぎしりをする。


「待て太一。春馬、直。そいつをほどけ。」


恭が指示を出す。


言われた通りにリーダーの男を拘束してた縄がほどかれる。


「はっ。でかい口叩いてる割に女に弱いのかよっ。」


自由になったリーダーの男が、勝ち誇った顔で恭を見下す。


恭は、顔色一つ変えずに黙ってる。