漆黒の闇に、偽りの華を




どれくらい走ったんだろ?


何か結構長く走ってた気がする。


息がなかなか整わない。


熱帯夜のじめじめした空気のせいで、汗が止まらない。


それにしても、百合さんはこの真っ暗闇を何の迷いもなく突き進むんだから、本当凄いと思う。


「……はぁ、ここだね。」


茂みの隙間から、数人の男達が見える。


何やらただならぬ雰囲気だ。




「あぁ!?だから、てめぇ等にとやかく言われる筋合いねぇっつってんだろ!?」


「分かんない奴等だねー。ここは煌龍の縄張りなんだって言ってるでしょ?勝手されると困るんだよねー。
あんた達がうちの奴等に色々ちょっかい掛けてんの知ってんだよ?」


あ。


春馬だ。


てことは、相手はさっき恭が言ってた不良グループ?


「俺等は俺等で勝手に動いてんだ!てめぇ等の縄張りだろうがなんだろうが知るかよ!うぜーからちょっかい掛けて何が悪い。
煌龍だかなんだか知らねーけど、一生暴走族ごっこでもやってろよ!」


不良グループの他の奴等がギャハハと下品な笑いをする。


いかにも身勝手そうな奴等だなぁ。