百合さんは、読んでいた雑誌を閉じてあたしと向き合う。
「それは、人それぞれだよ。」
「何それ?」
「要は、あたしが太一を好きだって気持ちと、茉弘が誰かを好きって気持ちは必ずしも一緒じゃないってこと。」
「う……うーん……。」
「茉弘は、もう分かってるはずだよ。恭だけにしか抱かない気持ち、あるんじゃない?」
「…………。」
あたしは、その気持ちに気付かないふりをしてる。
今もそう。
百合さんの言っている事が、分からないわけじゃない。
でも、もしも"それ"に気付いてしまったら?
あたしは、これからどうするつもりなの?
「百合さんはさ、太一のどこが好きなの?そもそも何で太一なの?」
「何それ!!何でそこであたしの話になるわけ!?」
百合さんの頬がちょっと赤らむ。



