漆黒の闇に、偽りの華を


あたし何でこんなにドキドキしてんのよ!


キスなんかされるわけないじゃない!


あたしと恭は何でもないんだし!


『側に居ると安心する』とか、別に深い意味はないから!


そうやって自分に言い聞かせ、バクバクして震える足を必死に起こして階段を下りる。


「あ、あれ?」


一階のミーティングルームには、百合さんしかいなかった。


百合さんは、雑誌か何かを読んでいるとあたしに気が付いて顔を上げる。


「あいつらは、仲良く揃ってコンビニ行ったよ。」


「そ、そっか。」


「あんた顔真っ赤。」


「ふぇっ!?」


あたしは、咄嗟に顔を隠す。


「ふっ。隠しても無駄。恭と何かあったんでしょ?」


百合さんは、あたしにニヤリとして見せる。


「何か……あったってわけじゃないんだけど……。」