「ここは?」
「俺の秘密の場所です。」
人気のない急な坂道を大分登った。
登るにつれて、だんだんと草木が多くなっていくのが分かった。
登りきった所に細い小道への入り口があり、その前で恭がバイクを止める。
「ここから少しだけ、歩きますよ。」
恭は自分のヘルメットを取ると、あたしをヒョイと持ち上げてバイクから降ろす。
そして、手際よくあたしのヘルメットまで外してくれる。
「おいで。」
そう言って、あたしに手を差し出す恭。
何か……どうしちゃったの?
夜の闇のせいだろうか、いつもと雰囲気が違って見える。
妙に男っぽいっていうか……あのヘラヘラ優男はどこに行ったの?
妙に頼もしく感じる。
そう思いながらも、言われるがままに恭の手を取るあたし。
あたしも……どうしちゃったの?
熱帯夜のせいか、顔が火照る。
恭の言う通り、少し歩いた所で少し開けた場所に出る。
「公園?」
いや、遊具とかないし、空き地……かな?
「俺達が生まれるずっと昔は、ここは公園だったらしいです。最近じゃこの辺に子供が少なくなったせいで、遊具とか取っ払ってただの空き地ですけど。」
「そうなんだ……よく来るの?」
「一人になりたい時とか、考え事がある時とか。静かだから良く頭が回るんです。」



