そう思うと、ギュッと胸が押し潰されそうになって、恭の腰の辺りを掴む手に力が籠る。 「どうしました?スピード速い?」 「ううん。違う。」 恭の広い背中。 きっと沢山の事を背負ってる。 ―――――――コツン 恭の背中にあたしの額をつける。 あたしなんかが思うのは、おかしいのかもしれない。 あたしだって、いつかは恭の重荷になる。 でも……今だけは…… この人の背中が少しでも軽くなりますように。 そう心から願うんだ。