漆黒の闇に、偽りの華を


そう思うと、ギュッと胸が押し潰されそうになって、恭の腰の辺りを掴む手に力が籠る。


「どうしました?スピード速い?」


「ううん。違う。」



恭の広い背中。


きっと沢山の事を背負ってる。



―――――――コツン



恭の背中にあたしの額をつける。


あたしなんかが思うのは、おかしいのかもしれない。


あたしだって、いつかは恭の重荷になる。



でも……今だけは……




この人の背中が少しでも軽くなりますように。




そう心から願うんだ。