「翔太さん!!待ってや~!」



「瑠奈、さっきのって運命やと思わん?」




砂浜を大股で歩く翔太さんに追いついた。




「俺、今日指輪捨てるわ!さっき、実は思っててん。最後まで落ちひんかったら、指輪捨てようって!でも、お前と同時やった。でも、最後に変わりはないしな。」



翔太さんは左手を空高く上げて、輝く指輪を見つめた。



「私もさっき、同じようなことを思っていました。最後まで残ったらって。」



続きを言いかけて、言葉を飲み込んだ。


言っちゃいそうだった。


最後まで残ったら…好きな人に想いを告げたいって。



「最後まで残ったら、何?お前もなんか、吹っ切りたいことあるんか?」



翔太さんは、高く上げた左手をストンと落として、私の肩に乗せた。



「瑠奈も、悩んでるんやな・・・同時に線香花火が落ちた者同士、一緒に前に進もうや!」


ドーンと背中を押してくれた。



前に進む・・・か。