「俺、絶対最後まで残るわ!めっちゃでかいもん!」
「でかいからって残るとは限らないですよ。重くて落ちるってこともあるし!!」
翔太さんに私がそう言うと、翔太さんは、ニヤっと笑った。
円のちょうど向かいにしゃがむ翔太さん。
ろうそくの炎の向こうに見える翔太さんは、赤く輝いていた。
私は、自分の花火を見るのも忘れ、翔太さんを見ていた。
今しか見ることができない翔太さんの姿。
真剣な表情で線香花火の赤い部分を見つめる。
次々にみんなが落ちて、最後に残ったのは私と翔太さんだった。
「瑠奈には負けへんで!!」
「私も翔太さんには負けへんもん!!」
私と翔太さんは、結構長く戦いを続けた。
もしも、
翔太さんよりも長く落ちないでいたら…
私は、この気持ちを伝えます。