スイカ割りの時に私の目隠しに使ったタオルは、翔太さんのタオルだった。
スイカ割りが終わっても、私は首にかけたまま、部屋に戻った。
部屋に戻ってから知った。
部活で使っていたタオルだと思う。
高校名と名前が書かれていた。
返したくないって思った。
いつまでも宝物にしたいと思った。
私もいつかあのタオルを捨てなきゃいけない日が来るのかな。
ずっと持っていちゃ、だめなのかな。
「お前とおったら、なんか知らんけど、落ち着くなぁ。関西人やからかな。」
私はのどの奥に涙の味を感じた。
心地よい風が、涙を乾かしてくれる。
時間が止まって欲しい。
ずっとこのまま話していたいです、翔太さん。

