呆然と立ちすくむ私の手を引き、スイカの近くへ座らせてくれた。 「はい!瑠奈が割ったから、瑠奈が一番うまいとこ食べや!」 割れたスイカの一番赤い部分に、大きな口を開けて、かぶりつく。 冷たくて、甘いスイカ。 ちょっぴり切ないスイカ割り。 どんどん好きになるのに、翔太さんとの距離は縮むことはない。 だって、 翔太さんの心には、誰も入る隙間がないくらいに、大事な人がいるから…