今日だって、桂木がいなかったらどうなっていたことか。 クラスが滅茶滅茶になってしまっただろう。 「中身はみんな違うんだよ。話してみないと分からないんだ」 「…そう、だね」 桂木はそう言って顔を首元にうずめた。 顔は見えないが、桂木が微笑んでいることは感じとれた。 「あ、そういえば…榎本、帰り遅くなっちゃって大丈夫…?」 突然顔をあげるとそう尋ねられた。 「大丈夫だよ。親は仕事だし、妹に遅くなるってメールしといたから」