君だから〜たった一人の君〜


「うん…だってこんなに傷んでるんよ?」


少しだけ髪を摘まんで亮に見せる。


くにゃっとなっているものばかり。


昔気にしすぎて抜いていたら1部薄くなったとは言えない。


「うわ、ホンマや。けど…」


「ん?」


一旦区切った言葉の続きを促すように聞き返す。


「…俺は、それが1番似合うてる思うんやけど」


「―ッ!?」


え!?


「は…え、?!」


『…俺は、それが1番似合うてる思うんやけど』


ええぇぇえぇえッッッ!?!?!?


う、ウソやろ?!


亮が…そんなこと言うなんて…