君だから〜たった一人の君〜


目を瞑って、息を吸い込んだ。


微かに香る春の匂いと、大好きな亮の匂い。


幸せ…。


ボーッとしている内に学校に着いて、教室まで走る。


「おはよー、亜倖、亮ッ!」


「はよ!」


「「おは、ょ…ッ」」


大輝と亜鶴弥が近寄ってくる。


「亜倖ちゃんも亮くんも汗凄いで?(笑)」


ハンカチを出しながら笑う麗香。


「今日は卒業式と結婚式やろ?(笑)」


…そう、今日は亜倖と亮の結婚式。


すでに戸籍上は夫婦になっている。