「亜倖の漢字、わかるな?」 「はい」 「人の幸せを感じられるように。せやから孝倖にも紗倖にもおんなじ漢字使うてる」 「…はい」 オトンは何が言いたいんやろ…。 オカンも孝倖も紗倖もウチも、オトンを見つめた。 「せやけどそれ以上に、人より幸せになるようにって願いが込められとんねん。…君は、亜倖を幸せに出来るんか?」 オトン…ウチらのこと、そんな風に思ってくれてたんや。 今まで、画数めんどいとしか考えんで…ごめんな。