君だから〜たった一人の君〜


「ウチ…亮に、告ろうて思って」


「…何でそれをあたしに?」


麗香が手元のストローを掴んで、グラスの中でぐるぐる回す。


「告白しよ、って思ったんは…麗香のおかげやから」


「…え?」


見つめてくる目を逸らさずに、見つめ返した。


「麗香と会わんかったら、ウチはこのまま亮と過ごして中学卒業してお別れしとった。麗香のおかげで勇気出たんや。…ありがと」


「ッ…なんで、」


じわりと涙が浮かんで麗香の目が揺れる。