君だから〜たった一人の君〜


去っていった店員を見て、その目を麗香に移す。


「亮に聞いた。アンタ…付き纏ってたんやってな?」


「…えぇ、そうですけど。それって亜倖ちゃんに関係あります?」


「あるわ」


「どうして?」


キョトン、と上目遣いで亜倖を見る。


「亮が迷惑がってるん、気ぃ付かんかったんか?」


「…気付いとりましたよ」


「せやったら、何で…ッ」


「だって!!!!」


麗香の叫びに、咄嗟に口を閉じる。


今にも泣きそうになりながらも、口を開く麗香。