君だから〜たった一人の君〜


「珍しいな…アイツが最後って」


「あ〜せやね…」


事実を知っている亜鶴弥が、目を逸らす。


それに気が付いた大輝が亜鶴弥を見つめた。


「ごめ…ッ、遅れたッ」


「っ、おそ…!?」


振り返った亮が固まる。


「あ、亜倖ぃ…?!」


コツ、コツ、とヒールを鳴らせて近付く。


まだ固まって何も喋らない亮の前に立つ。


「変…かな?」


「…」


紫のロングTシャツに、この間買ったジーンズ生地のスカート。


ニーソックスに黒のパンプス。


豹柄のシュシュでポニーテールにした亜倖。