君だから〜たった一人の君〜


「初めまして…緋澄 亮いいます」


「爽やかやな〜!ハハハッ」


亮の肩を叩きながら笑う。


「もう亮帰るんやから離したりよ」


「「え!?もう!?」」


綺麗に揃った母と紗倖の声。


こうなると長くなると思ってリビングを出ようとすると…


「まあまあ!せっかくやから夕飯食っていき」


強引に亮を座らせる。


「オトン…ッ」


「昔話したるからッ!亜倖好きやろ?」


「昔話?」


「ん…まぁ」


不思議そうな顔をして亜倖を見る亮に、曖昧に微笑む。