君だから〜たった一人の君〜


顔を真っ赤にして遊馬の口を押さえる。


「なんてゆうた?」


「や、気にせんでえぇよ!」


遊馬の頭をグリグリしながら笑顔を向けた。


「ちょ、ぎぶ…ッ」


「お前が余計なことゆうからやろがぁ!!」


「だって…っ、」


本当に苦しみだしたので手を緩めた。


息を整えて、遊馬は言った。


「亜倖…あいつが好きなんやろ?」


「…ッ!そう、やけど」


「なら自分に素直にならな」


気付かない内に、大人になってた。


いつからこんなに優しく笑うようになったんやろう。