君だから〜たった一人の君〜


「…遊馬」


遊馬と向き合って、近付いた。


「亜倖…」


まるで子犬のような目。


それでも…


―バキッ


「―ッ!」


遊馬の体が倒れた。


亜倖の正拳突きによって。


「遊馬…亮が許してもウチは許さん。亮に謝れやッ」


「…いやや」


頬に空気を入れて頬を膨らませる。


…変わってないな。


「嫌やない!!悪いことしたら謝れて教えたやろがぁ!!!!」


―バシッ


遊馬の頬に亜倖の手形がついた。