oneself 前編

それから何日かが過ぎた。


あたしは大学、哲平は仕事。


それぞれに忙しい毎日を送りながら、電話やメールでのやり取りの日々。


あたしはあの日以来、買った洋服に身を包んで、大学へと通っていた。


香の言ってた事が、今ではわかる。


変わっていく自分が、楽しいんだ。


もっと綺麗になりたいし、もっと自信が持てるようになりたい。


大学内で出会うサークルの先輩達は、声を揃えて「かわいい」と言ってくれる。


今まで経験した事のない男の人達からの対応に、嬉しくなる事もある。


でもね。


やっぱりあの時、哲平が褒めてくれた言葉が、あたしには1番で。


哲平にふさわしい、綺麗な彼女である為に、努力する事。


それはあたしなりの、愛情だったんだよ?