気付けば、3月も今日で終わりを迎えようとしていた。
明日から仕事が始まるという哲平の部屋で、あたし達はジュースとお菓子を片手に、ゆったりとした時間を過ごしていた。
「いよいよ明日かぁ」
壁に貼られたカレンダーを見つめながらポツリと呟いたあたしに、哲平が情けない声を出す。
「俺、起きれるかなぁ…」
「最近は生活が、逆転してるもんな。大丈夫?」
「入社初日から、遅刻はやばいよなぁ…」
そう言って苦笑いの哲平は、大手自動車メーカーの工場に、就職が決まっていた。
哲平は幼い頃に父親を事故で亡くし、母親と二人暮らしだった。
周りが進路で頭を悩ませる中、誰よりも早く就職の道を選び、それに向かって事を進めていたっけ。
うちの高校では、進学と就職の割合は6:4くらいで、哲平の選んだ道は、別に珍しい訳ではない。
実際、幸子も最後まで悩んではいたが、就職という道を選んだうちの一人だった。
それでも、短大に進むあたしからしたら、同級生が社会人になるという事は、何となく信じられない、といった感じだった。
明日から仕事が始まるという哲平の部屋で、あたし達はジュースとお菓子を片手に、ゆったりとした時間を過ごしていた。
「いよいよ明日かぁ」
壁に貼られたカレンダーを見つめながらポツリと呟いたあたしに、哲平が情けない声を出す。
「俺、起きれるかなぁ…」
「最近は生活が、逆転してるもんな。大丈夫?」
「入社初日から、遅刻はやばいよなぁ…」
そう言って苦笑いの哲平は、大手自動車メーカーの工場に、就職が決まっていた。
哲平は幼い頃に父親を事故で亡くし、母親と二人暮らしだった。
周りが進路で頭を悩ませる中、誰よりも早く就職の道を選び、それに向かって事を進めていたっけ。
うちの高校では、進学と就職の割合は6:4くらいで、哲平の選んだ道は、別に珍しい訳ではない。
実際、幸子も最後まで悩んではいたが、就職という道を選んだうちの一人だった。
それでも、短大に進むあたしからしたら、同級生が社会人になるという事は、何となく信じられない、といった感じだった。



