oneself 前編

それからも、あたし達は散々みんなに冷やかされながらも、思い出話に花を咲かせた。


今日という日の、高校生活最後の写真を、カメラの中にしっかりとおさめて。


どのくらい時間が過ぎたんだろう。


周りを見渡せば、もうポツリポツリと帰り始めている生徒達。


「あたしらもそろそろ帰ろっか」


幸子の一言をきっかけに、みんなでゾロゾロと校門に向かって歩き出す。


「バイバイ!」


「またな!」


最後のお別れの挨拶が飛び交う。


4月から進む道は、みんなバラバラで。


でも、また会う時も何も変わらない、あたし達でいれたらいいね。


そうして、あたし達は3年間通った高校に背を向けて、未来へと歩き出したんだ。