翼に打ち明けた事で、自分の状況が改めてやばいんだと気付いた。
バイトしなきゃ…
何度も気付かされた機会はあった。
でもそう思うだけで、行動に移さなかったあたし。
どこまで駄目な人間なんだろう。
自分の馬鹿さ加減と、もう間に合う事のない状況に、唇を噛み締めた。
その時、そんなあたしを心配そうに見つめる翼が、口を開いた。
「未来ちゃんが抵抗なければ、体入とかしてみたら?」
「タイ…ニュウ…?」
耳慣れない言葉だった。
キョトンとするあたしに、翼はクスッと笑う。
「体入っていうのは、体験入店の略で〜」
体験入店とは、読んで字のごとく、体験で入店してみる事。
夜の仕事が初めての子、はたまた経験者の子でも、お店の雰囲気を知る為に、ある制度だという。
「もちろんその日に給料は貰えるよ。時給は2800円の、だいたい5、6時間だから…」
指を折りながら説明する翼は、携帯を取り出すと、素早く何かを打ち込んだ。
「16800円、6時間ならね」
少し誇らし気な翼と、その金額に、驚きを隠せないあたし。
16800円…
たった1日で。
しかも、その日に給料は貰えるという。
考えた事もなかった。
あたしがそんな仕事をするだなんて…
バイトしなきゃ…
何度も気付かされた機会はあった。
でもそう思うだけで、行動に移さなかったあたし。
どこまで駄目な人間なんだろう。
自分の馬鹿さ加減と、もう間に合う事のない状況に、唇を噛み締めた。
その時、そんなあたしを心配そうに見つめる翼が、口を開いた。
「未来ちゃんが抵抗なければ、体入とかしてみたら?」
「タイ…ニュウ…?」
耳慣れない言葉だった。
キョトンとするあたしに、翼はクスッと笑う。
「体入っていうのは、体験入店の略で〜」
体験入店とは、読んで字のごとく、体験で入店してみる事。
夜の仕事が初めての子、はたまた経験者の子でも、お店の雰囲気を知る為に、ある制度だという。
「もちろんその日に給料は貰えるよ。時給は2800円の、だいたい5、6時間だから…」
指を折りながら説明する翼は、携帯を取り出すと、素早く何かを打ち込んだ。
「16800円、6時間ならね」
少し誇らし気な翼と、その金額に、驚きを隠せないあたし。
16800円…
たった1日で。
しかも、その日に給料は貰えるという。
考えた事もなかった。
あたしがそんな仕事をするだなんて…



