別室の襖を開けると、目に飛び込んできたのは、テーブルの上を豪華に彩る、数々の懐石料理。
「すごい…」
感動で立ち尽くすあたしに、哲平が早く座るように促す。
「乾杯!!」
ウーロン茶を一口飲むと、あたしは張り切ってお箸を割った。
「うわ〜、何から食べよう」
まず、一番手前に置かれてある、湯葉の入った小鉢に手を付けた。
「湯葉ってテレビで良く見るけど、食べるん初めてやわ」
そして次に、中身は白身魚であろう天ぷらを口に含む。
「めっちゃ美味しい」
そう言って哲平の顔を見上げた時だった。
楽しくて仕方がないあたしとは裏腹に、何か思い詰めたような顔の哲平。
そういえば、さっきからあたし一人で喋っているような気がする。
「哲平、どうしたん?」
「えっ?」
ふいに目が合うと、少し焦った様子で、哲平はあたしから視線を外した。
あたしは首をかしげながら、哲平を見つめ、哲平の口から次の言葉が出るのを待っていた。
どうしたんだろう。
お腹減ってるんだよね?
なのに哲平は、最初にウーロン茶を一口飲んでから、箸にさえ手をつけていない。
すぐに返ってくると思っていた返事はなく、哲平はさっきと同じ思い詰めた顔で、何かを考えていようだった。
たった数秒の沈黙が、急にあたしを不安にさせる。
「すごい…」
感動で立ち尽くすあたしに、哲平が早く座るように促す。
「乾杯!!」
ウーロン茶を一口飲むと、あたしは張り切ってお箸を割った。
「うわ〜、何から食べよう」
まず、一番手前に置かれてある、湯葉の入った小鉢に手を付けた。
「湯葉ってテレビで良く見るけど、食べるん初めてやわ」
そして次に、中身は白身魚であろう天ぷらを口に含む。
「めっちゃ美味しい」
そう言って哲平の顔を見上げた時だった。
楽しくて仕方がないあたしとは裏腹に、何か思い詰めたような顔の哲平。
そういえば、さっきからあたし一人で喋っているような気がする。
「哲平、どうしたん?」
「えっ?」
ふいに目が合うと、少し焦った様子で、哲平はあたしから視線を外した。
あたしは首をかしげながら、哲平を見つめ、哲平の口から次の言葉が出るのを待っていた。
どうしたんだろう。
お腹減ってるんだよね?
なのに哲平は、最初にウーロン茶を一口飲んでから、箸にさえ手をつけていない。
すぐに返ってくると思っていた返事はなく、哲平はさっきと同じ思い詰めた顔で、何かを考えていようだった。
たった数秒の沈黙が、急にあたしを不安にさせる。



