隣で軽く寝息を立てながら、眠っている哲平。


あたしはその横顔を見つめながら、昔とは違う、満たされない気持ちを抱えていた。


本当は嫌だよ?


悲しかったよ?


改めて哲平はホストなんだって、痛いくらいに痛感した。


綺麗な女の人の隣に座って。


あたしの事を秘密にして。


あたし以外の女の人に、優しくする。


好きだから、平気な訳ないでしょう?


照れ屋な哲平は、愛の言葉を並べるのは、得意じゃない。


でも、あたしにしてくれる事。


そこにはちゃんと、愛が感じられるから。


たった一ケ月。


我慢してみせるんだ。


それがあたしなりの、哲平への愛情だと、思っているから…