そして早足で玄関口に向かう哲平の背中を、追いかけるあたし。
その間に会話はなくて、部屋を選ぶパネルの前で、「どこでもいいやんな?」と、哲平は一言あたしに断ってから、返事も聞かないうちにパネルのボタンを押した。
またしてもエレベーターに向かう哲平の背中を、あたしは小走りで追いかける。
こういう所に来るのは、初めてじゃない。
以前はどこのホテルに行くか、二人で雑誌を見ながら相談して。
その中で部屋を選ぶ時も、あの部屋にはジェットバスがあるだとか、マッサージチェアがあるだとか、話し合って決めたのに…
何かが違う哲平。
お互いに無言のまま、選んだ部屋まで向かった。
ガチャリと重たい扉が閉まった音を確認して、備え付けのスリッパに履き替える。
「疲れた〜」
のんきな声をあげて、ベッドに倒れ込む哲平。
そんな哲平をボーっと見つめていると、むくりと起き上がった哲平と目が合った。
自分でも分かるくらい、あたしは何か言いたげな顔をしていたんだろう。
「何かごめんな」
少しの沈黙の後、哲平が申し訳なさそうにそう言った。
その間に会話はなくて、部屋を選ぶパネルの前で、「どこでもいいやんな?」と、哲平は一言あたしに断ってから、返事も聞かないうちにパネルのボタンを押した。
またしてもエレベーターに向かう哲平の背中を、あたしは小走りで追いかける。
こういう所に来るのは、初めてじゃない。
以前はどこのホテルに行くか、二人で雑誌を見ながら相談して。
その中で部屋を選ぶ時も、あの部屋にはジェットバスがあるだとか、マッサージチェアがあるだとか、話し合って決めたのに…
何かが違う哲平。
お互いに無言のまま、選んだ部屋まで向かった。
ガチャリと重たい扉が閉まった音を確認して、備え付けのスリッパに履き替える。
「疲れた〜」
のんきな声をあげて、ベッドに倒れ込む哲平。
そんな哲平をボーっと見つめていると、むくりと起き上がった哲平と目が合った。
自分でも分かるくらい、あたしは何か言いたげな顔をしていたんだろう。
「何かごめんな」
少しの沈黙の後、哲平が申し訳なさそうにそう言った。



